海外旅行の大きな楽しみの一つが、現地のレストラン訪問。日本では食べられない、その土地だけの特別なグルメを堪能できて、いい思い出になることは間違いありません!
しかし、海外のレストランは、日本とマナーが異なることがほとんど。注文や会計の仕方、テーブルマナー、ドレスコード、そして日本人には慣れないチップの文化など、知らないと恥をかいてしまうことが意外とたくさんあります。
日本の常識のままで行くと、周りの人から白い目で見られてしまうかも…?
そんなことがないように、海外のレストランでのマナーを事前にしっかりと予習しておくことをおススメします。
この記事では、アメリカのレストランでの基本的なマナーを解説します。特に日本人が悩みがちなチップに関しても詳しく説明していますので、ここで不安を解消しておきましょう。
目次
レストランに行く前に…ドレスコードをしっかり確認!
レストランによっては、守らなければならないドレスコードがある場合があります。訪問するレストランの雰囲気に合わせて、適切な服装を心がけるようにしましょう。
ドレスコードとは?
そもそも「ドレスコード」って聞きなれない言葉かもしれませんね。ドレスコードとは「服装の規定」の意味で、訪問する場にふさわしい服を着用することを指します。特に高級なレストランでは、場の雰囲気を壊さず、また他のお客さんの迷惑にもならないような服装をすることは非常に重要です。
日本では、結構ドレスコードは緩めのことが多いですが、アメリカを含めた海外では、ドレスコードを守らないとお店に入れてもらえないことも。恥をかかないためにも、出かける前にしっかりドレスコードを確認しておきましょう。
高級レストランでNGな服装、OKな服装
ホテルの高級レストランや、ミシュラン・レストランなどは、エレガントな雰囲気が経験の一部。そのため、ボロボロの服装、汚れて清潔感のない恰好は絶対にNGです。
また、ビーチサンダルやクロックス、スエット、ジャージなど、家で着るような服装も言語道断です。ジーンズやTシャツ、パーカーなどのカジュアルな服装も避けるべき。高級レストランは適度にドレスアップしていくもの、と考えましょう。
女性の場合、オシャレ目のワンピースにジャケット、そしてパンプスの組み合わせが定番です。清楚なブラウス+スカートの組み合わせもいいですね。ミニスカートや胸元が大きく開いたトップスなど、露出が多いものは避けましょう。また、髪が長い人は、食べる際の邪魔にならないようにアップにしておくことをおススメします。カジュアルになりすぎないパンツスタイルに自信がある人以外は、スカートもしくはワンピースの着用が無難です。
男性の場合は、ジャケット着用が必須の場合が多いです。仕事のミーティングならばスーツでも構いませんが、プライベートな訪問でスーツだとちょっと浮いてしまいます。そんな時は、シャツにスラックスやチノパンを合わせます。もちろんシャツはイン、寒ければ上にセーターを着用します。靴は革靴が無難です。夏はネクタイなしでもOKですが、秋冬はネクタイ着用がおススメです。
また、基本的に帽子を着用したままで食事をすることはマナー違反と考えられるので、席に着いたら帽子は取りましょう。
より一般的なレストランでNGは服装、OKな服装
高級レストランでなくても、ファミレスやファーストフード店以外のレストランでは、それなりに清楚な格好を心がけましょう(特にディナーの場合)。この場合はジーンズやスニーカーでも問題はありませんが、「ビーチからそのまま来ました」「ランニング後に寄りました」といった格好はNGです。
女性ならば、露出の多すぎる服装は避け、適度にカジュアルな服装をしましょう。
男性ならば、タンクトップや短パンはNG!チノパンにポロシャツかカジュアルシャツが無難です。
到着から注文まで
お店に着いてから、席について注文するまでのマナーを見ていきましょう。ここで一番重要なのは、とにかく「焦らない、急がない!」ということです。
予約してある場合/席に案内されるまで
アメリカの多くのレストランでは、入り口のすぐそばに受付のカウンターがあり、受付係が立っていることがほとんどです。来店したら、この受付係に人数を伝え、席に案内してもらいます。
受付係がいない場合、自分から中に入り席に座ってしまう人をたまに見かけますが、これは絶対にNGな行動です!必ず店員さんが来て案内してくれるのを待ちましょう。
予約してある場合は、I have a reservation under Tanaka. (田中という名前で予約を入れてあります)と伝えましょう。
注文の仕方
アメリカのレストランでは、ウエイターによって担当するテーブルが決まっており、食事全体を通して一人のウエイターに世話をしてもらうことが一般的です。これは後に説明するチップの文化に関係しています。
アメリカでは基本的に、お客さんの方からウエイターを呼ぶことはありません。注文したいものが決まっても、手を挙げてウエイターを呼ぶことはせず、ウエイターの方からテーブルに来るのを待ちましょう。
ここまで、日本の飲食店よりもゆったりとしたペースで進むことも多いですが、「店員はまだか」とイライラすることはなく、会話の時間だと思って楽しみましょう(もちろん、あまりにも遅い場合は指摘を!)。
『注文はレディー・ファーストが原則。』女性が先に注文を伝えます。
食事中…大きな声でウエイターを呼ぶのは絶対にNG
料理が運ばれてきて、待ちに待った食事の時間。ここでもいくつか押さえておきたいマナーがあります。
基本的なテーブルマナー
まず気を付けたいのが、「外国では食事をする際に大きな音を立てることは無礼である」ということ。日本では麺類を食べる時など、音を立てることがよしとされていますが、海外ではこれは絶対にやってはいけません。食事はできるだけ静かにするのがルールです。熱いスープなど、ついついすすってしまいがちですが、すすってはいけません!スプーンですくい、十分に冷ましてから口へ運ぶのです。もちろん、口にものを入れたまま喋るのも言語道断。
スプーンやフォークなどを必要以上にカチャカチャ鳴らすのもNGです。間違いなく周りの客に嫌な顔を向けられます。(経験あり笑)
また、日本のようにお皿を持ちあげて食べることもしてはいけません。お皿はすべてテーブルに置いたまま食事をします。
アメリカでは食事中にウエイターが様子を見に来る
アメリカのレストランでは、上記に述べたように担当のウエイターが付きますが、このウエイターが食事中に様子を見に来ることがごく一般的です。様子を聞かれたら、驚くことなく Very good, thank you. (問題ありません、ありがとう)と返事をしましょう。
また、何か頼みたいことがあれば、この時にするのがベストです!自分からウエイターを呼ばない、ということが基本なので、ウエイターの方からテーブルに来た時にお願いをしましょう。
食事中にウエイターを呼びたい時
それでも、食事中にウエイターを呼びたい時はあるかと思います。そんな時は、自分のテーブルを担当するウエイターが近くに来た際に軽く手をあげ、小さなジェスチャーやアイコンタクトで知らせます。担当外のウエイターに話しかけることは、基本的にしません。
ここで絶対にやってはいけないのが、手を高く上げて大きな声でExcuse me!(すみませーん!)と叫ぶこと。日本ではよくある光景ですが、アメリカではマナー違反となります。これをやってしまうと、とても恥ずかしい思いをします。
お会計…チップってどうすればいいの?
食事が終わり、お会計の時間。日本人が海外でレストランを訪問する際に、一番不安になるのがこの時でしょう。
お会計のタイミングは?お会計はどこでするの?チップってどうすればいいの?と分からないことだらけですよね。レストランに行く前には必ず確認しておきたい部分です。
食事が終わり、会計したいことを伝える方法
お会計は、テーブルでするのが基本です。食事が終わり、会計したいことを伝える時は、ウエイターがお皿を下げに来た時などにCheck, please.(お会計お願いします。)と声をかけましょう。
それか、ウエイターが近くに来て目が合った際に、空中でペンを持ってサインしているジェスチャーをします。これで「お会計」の意味になります。笑顔を忘れないで!
お会計の仕方
ウエイターが席までレシートを持ってきてくれます。アメリカでは、小さな手帳のような形になっていることが多く、この中に支払う金額を挟んで渡します。現金の場合は現金を、カードの場合はカードを挟んで渡します。この時点ではまだチップは渡しません。
高級レストランでは、別々に払うことはできるだけ避けましょう。どうしても別々に払う場合は、カードを2枚渡し、Can we pay separately? (別々でお願いします)と一言声をかけます。
チップの渡し方 ~チップを出すタイミング、金額など~
チップとは、世話をしてくれたウエイターに渡すもので、ウエイターの主な収入源となるものです。
飲食代金を支払った後、ウエイターがお釣り、もしくは渡したクレジットカードを持って戻ってきますので、この時にチップを払います。現金の場合は、チップ代金をテーブルに残して帰ります。カードの場合は、サインをするためのレシートを渡されますが、ここに渡したいチップの金額を記入します(これは後に飲食代金と合わせてカードから引かれます)。
気になるのがチップの額。アメリカでの相場は飲食代金(税抜き)の15~20%となっています。ニューヨークなどの大都市では、最低でも20%は残すことが期待されています。
チップの額は、サービスに対する満足度を示すものでもあります。サプライズに協力してもらったり、特別なお願いごとに対応してもらったりした場合は、チップを多めに残しましょう。
その他に知っておくと便利なこと
注文は飲み物、食事、デザートの3回が基本
アメリカのレストランでは、ウエイターが3回注文を取りに来ることが一般的です。まずは、着席してすぐに飲み物を聞かれます(この後、前菜を聞かれる場合も)。その後しばらくしてから、メインの食事を注文します。そして食事が終わってお皿を下げた後に、デザートメニューを見てデザートを注文するスタイルです。
もちろん、お腹いっぱいの場合はデザートを注文する必要はありません。その場合、Would you like some dessert?(デザートはいかがですか?)と聞かれたら、No, thank you. Just the check please.(いいえ、結構です。お会計でお願いします)と伝えましょう。
水は頼まないともらえない(有料の場合も!)
日本の飲食店では、席に着くとまずお水を出してもらえることがほとんどですが、アメリカを含め海外のレストランでは、水は特別に頼まないと持ってきてもらえないことが多いです。
飲み物や食事を注文した後に一言、Can we have some water, too, please?(お水も持ってきてもらえますか?)と付け加えてお願いします。
この場合、基本的に無料で水道水を出してくれますが、レストランによっては有料のミネラルウォーターしか提供しない場合もあります。知らずのうちに有料の水を注文してしまうこともあるかと思いますが、高いものではないので、トラブルを避けるために断らずに受け取るのが無難です。
お酒を頼んだら、必ず身分証明書を確認されると思っておこう
州にもよりますが、アメリカではお酒を購入する際の身分証明書の確認が徹底されていることが多いです。特にニューヨークのレストランでは、見た目に関わらず、必ずチェックされると考えて良いでしょう。
明らかに21歳以上でも、身分証明書がないとお酒の提供を断られます。せっかくのディナーで残念なことがないように、レストランに行く際は必ず身分証明書を持参しましょう。パスポートの携帯が一番無難です。
残った分を持って帰るのも一般的
アメリカの料理は量が多いことで有名です。食べきれない時もあるかと思います。そんな時に、残った分を持って帰ることは、実はかなり一般的です。おいしい料理を無駄にするのももったいないので、ためらわずにお願いしてみましょう。持って帰るための容器をくれます。
残った分を持って帰りたい時は、ウエイターにCan I take it to go, please?(これを持って帰りたいのですが)と言いましょう。
まとめ
いかがでしたか?
覚えることが多くて大変…と感じるかもしれませんが、国が違えばマナーやふるまい方が違ってくるのは当たり前のことです。日本の飲食店だって、守るべきマナーはたくさんあります。私たちはただそれに慣れており、当たり前のようにやっているだけなのです。
アメリカのレストランでのマナーも、しっかりと予習して覚えておけば、難しいことはありません。マナーは確かに大事ですが、気にしすぎて緊張し、不自然な振る舞いになってしまうのもスマートとは言えません。事前に少し確認しておくだけで、心に余裕が生まれ、レストラン訪問がぐんと楽になることは間違いなしです。
その国ならではのマナーを守れば、ステキな体験になることは間違いありません。
ストレスなく美味しい料理を楽しんでくださいね!