お疲れ様です。
現役英会話講師の伊南拓哉(いなみたくや)です。
コントやコメディドラマなどアメリカにも日本にも共通にある「笑い」の文化はありますが、アメリカには、いわゆるボケ担当とツッコミ担当が一緒に漫談をするような漫才がありません。
その代わり、一人で舞台に立ち、ジョークを披露するという形のスタンドアップコメディが根付いています。バーやイベントのパーティーで活躍したり、人気になるとスタジアムを貸し切ってショーが開催されるほどです。
今日は、そんなスタンドアップの人気commedianとcommedienne
(最近では性別を分けることなく、男女ともcomicと呼ばれることが多くなりました。)
を紹介します。
最初は聞き取りが難しかったり、表現がわからなかったり、あるいは、背景にある文化を理解できないこともあるかもしれませんが、ネイティブスピーカーの英語力に近づくためには最適の教材になるはずです。
Tig Nataro
数少ないレズビアンのcomicで、ジョークのネタは彼女の妻との生活や、双子の子供について、また、2012年に乳がんを診断されてからはそのことさえも笑いに変えています。
彼女のジョークの特徴は、deadpan comedyと呼ばれ、冗談を言っているにもかかわらず、無表情でいることで、まるで本人は真面目に話しているかのような印象を観客に与え、それもまた笑いにつながっています。
Aziz Ansari
インド系アメリカ人のAzizは、スタンドアップコメディだけでなく、コメディドラマへの出演や監督まで手掛け、幅広く活躍しています。去年はゴールデングローブ賞も受賞しているほどの実力です。
自身の親がインドからの移民であることで、アメリカに住むminority(=少数派民族)としての生活をジョークやストーリーのネタにすることも多くあり、日本人には同じアジア人として共感する点があるかもしれません。
Jim Gaffigan
スタンドアップコメディでは、dirty jokes(=下ネタを含むアダルト向けの冗談)を扱うコメディアンも多いのですが、Jimは逆にclean jokes(=いやらしくない冗談)に定評があります。
彼には5人の子供がいて、カトリック教徒であることを公言しており、ネタとしては自分の不健康な食習慣や、体形についての自虐モノが多いです。
Ali Wong
中国系の父とヴェトナム出身の母を持つAliは、数々のドラマにも出演、脚本も行っています。
彼女は大胆にも女性視点のdirty jokesを得意としているので、例えば「セックス・アンド・ザ・シティ」のようなドラマが好きな人にはおすすめのcomicです。
Louis C.K.
自身の離婚歴、二人の娘などの個人的なネタから、差別や政治などの社会問題、はたまたdirty jokesまで幅広くジョークにする彼のスタンドアップは、大人向けです。
アメリカ各地の数々の大舞台でのトークショーを成功させてきただけでなく、チケット販売方法を改革したり、ドラマ制作を行ったり、と商業的にはかなり成功してきましたが、昨年複数の女性からのセクシャルハラスメントによる訴えが報道され、今後の活躍は難しくなっています。
さて、自分が冗談を言って場を和ませることもあるかもしれませんね。
この場合に使えるのが、”(I’m) Just kidding.”や、あるいは”(I’m) Just joking.”という表現です。
どちらもほぼ同じ状況で使えます。
例えば、自己紹介するときに、”Hello, my name is Donald Trump...just kidding. I’m Taro Sato.”というような感じで使ってみると、初めて顔を合わせるときにも緊張がほぐれるかもしれませんよ。
英語独特の表現を含んだり、
その時代の社会背景を反映するスタンドアップコメディを楽しめるようになる頃には
英語がかなり上達しているはずです。
ぜひぜひ挑戦してみて下さい!