こんばんは。
現役英会話講師の伊南拓哉(いなみたくや)です。
今回は意外にも学ぶ機会が少ない、アメリカのマナーについて解説していきます。
アメリカと日本ではマナーが異なる場合がしばしばあります。
私も以前はマナーに対して無知のまま、様々な失敗をして来ました(笑)。
旅行や仕事、留学中に失敗をすることがないよう事前に確認し、知っておきましょう。
アメリカのレストランでのマナーとチップについて
マナーというと、食事中のマナーを思い浮かべる人が多いかもしれませんね。
カジュアルな店ではあまり気を使う必要はないかもしれませんが、高級なレストランに行ったときにはいくつか覚えておいたほうがいいマナーがあります。
ドレスコードを設定しているようなレストランもあります。
そのようなときには、ジーンズ、ショートパンツ、Tシャツ、スニーカーやサンダルなどの着用は避けてください。ドレスコードを守らないと、丁重に入店を拒まれてしまいます。
注文の際には大声で「注文お願いします!」というように、店員を遠くから呼ぶことは失礼です。
注文を行いたいときは、近くに店員が来た時に”Can we order?”=「注文できますか」と伝えるか、店員に目で合図を送ったり、手を低めに軽く振るなどして合図を出しましょう。
注文が終わったら、食事が運ばれるまでにナプキンを二つ折りにして膝に広げます。
中座しなければいけないときは、地域によっても方法が違うようですが、軽く畳んで椅子の上に置いておくのが無難です。
ちなみに、食事中に中座する場合は、皿にフォークとナイフを「ハ」の字形においておけば、皿を下げられる心配はありません。
レストランで会計を別にするのは失礼にあたる、という考え方もある一方で、アメリカではクレジットカード決済が一般化しており、店が別払いを受け入れているようであればあまり気にする必要はないはずです。
ただし、テーブルごとの枚数制限がある場合が多いため、カードの枚数が多すぎないように注意してください。
また、日本と大きく違うチップの習慣にも気をつけましょう。
日本人にとってはかなり馴染みの無い習慣ですが、あちらでは常識です。
地域や時間帯によっても違いますが、高級レストランでは、最低でも合計金額の15%~20%を払うのが一般的です。
チップが含まれているレストランでは伝票に記載があるはずですので、確認してください。
たとえレストランに満足していない場合でも、チップを払わない、というのは客として無礼になります。
10%~15%を払い、クレームを入れる、というほうが互いにとって良いとされています。
アメリカでの飲酒について
自宅の敷地内や、レストランのテラス席、野球スタジアムなどを除いて、屋外や公共の場での飲酒は禁止されています。
日本ではお花見など、公園で飲酒することもありますが、アメリカでは逮捕されてしまいますので、注意してください。
また、酒を買う場合や、レストランでの酒の注文、(飲酒しないで)バーやナイトクラブに入るだけ、
という場合でも、21歳以上であることを証明できるID(事故証明書類)の提示が求められることが非常に多くあります。
IDの確認がなく酒を提供したことが発覚すると店側も処罰の対象となり、店も客に対して対応が厳しいです。
くしゃみやあくびの時について
日本でも共通の考え方だとは思いますが、誰かとの会話中にくしゃみやあくびをしてしまう時には、口に手を当てるようにしましょう。また、終わった後には、”Excuse me.”の一言を添えましょう。
くしゃみの場合は、多くの場合、相手が”Bless you.”という言葉をかけてくれますので、”Thank you.”と応答しましょう。
くしゃみの際の”Bless you.”は赤の他人同士でもよく見られる光景ですので、電車の中やカフェなどで周りの人がくしゃみをしたら、”Bless you.”と言葉をかけてあげると親切です。
また、関連することとして、日本では病気予防で使用することもあるマスクですが、アメリカでは風邪などをひいていても、マスクを着用して外に出ることはめったにありません。
マスクは医療現場で特別に衛生に気を付ける場面以外では使用されないため、マスクをしていると「感染する病気を持っているのではないか」と思われてしまいがちです。マスクの使用は必要最低限にとどめたほうが良いかもしれません。
以前冬の時期に日本に戻って来た時のことです。
久し振りに渋谷駅に着いた時に見た、日本人のマスク着用率の高さには、日本人の私でもかなりの違和感を感じてしまうほど、異様な光景に見えました。
アメリカのmannerの意味について
日本で、マナーというと礼儀のことを指しますが、英語では礼儀という意味でこの単語を使う場合mannersという複数形となり、”She has no manners.”=「彼女は礼儀がない」という風に使います。
mannerには、他にも、方法や態度という意味もあり、”He spoke to me in a businesslike manner.”=「彼は私に仕事口調で(固い口調で)話した」ということもできます。
アメリカには様々な国の出身者がいますので、
マナーが完全になされていなくても周りに理解してもらえる部分もありますが、現地のマナーを理解して習慣になじめると、よりスマートに滞在を楽しめることでしょう。
海外に行けば、あなたが日本代表です。
あなたの行動によって、現地の日本人に対する印象が左右されることを覚えておいてくださいね。