こんにちは。
現役英会話講師の伊南拓哉です!
英語でも、日本語と同様、世代や性別などの違いによって、言葉の選び方や言い回しに典型的な特徴がでることがあります。
もちろん、このような典型例はあくまで一部の人々に当てはまるもので、世代や男女の区別に関係なく使われることもありますが、特徴を知っておくとドラマや映画、本などの登場人物について人柄が見えて面白いかもしれませんね。
今日は、そのような特徴を私の経験に基づいていくつかご紹介していきます。
Likeなどの婉曲の多用
比較的若い女性が友達や家族などとのカジュアルな会話の中で、特にlikeを頻繁に使うという傾向があります。海外の映画やドラマなどでもよく出てきますし、ネイティブスピーカーとの会話を聞いていると頻繁に使われていることに気付くと思います。
口語的に、「えーと、あのー」の意味を持ったり、「〜みたいな」という意味や、他人から見聞きしたことを伝える時に使う言葉になったりします。決して「〜が好きである」という意味だけではありません。
likeには、「~のような」という前置詞としての使用法があり、婉曲的な表現にするという効果があります。
"look like"や、"It seems like~."のように使われるだけではなく、"~, it was like, ~."(あの〜、なんてゆうか〜)や、"He was like, ~."(彼は〜みたいな感じだったよ)のように使います。
婉曲表現であるだけなので、”I was so tired last night.”と”I was like so tired last night.”と言うのではほぼ意味は変わりません。
この婉曲表現には、必要のないところにつける”Kind of”や、他にも文末につけて使う”you know“というようなものもあります。例えば、"It's kind of cold, isn't it?"(なんかちょっと寒くない?)や、"I don't have enough time, you know."(そんな時間はないんだからね。)などのように使います。
FantasticやLovely
形容詞には感情や主観を表現するものが多いので、その人らしさが言葉に出てくることが多いかもしれません。
あることに対して良い意味で驚きを表現するときに”Fantastic!”と言うのは男性よりも女性の確率が多いように感じます。
また、lovelyという単語も女性が使う確率のほうが男性が使う確率よりも多いでしょう。
イギリス英語でよく使われますが、「可愛い、可愛らしい」という意味だけではなく、「良い、素晴らしい」という意味でも使われます。"What a lovely weather!"のようにも使われます。
他人に対してHoneyやSweetieという呼びかけ
男女関係なく、家族や恋人に対して、”Honey”や”Sweetie”と呼びかけることは一般的です。
しかし、他人同士にも関わらず、親しみの意味を込めて使われることもないわけではありません。
中年や老年の女性(いわゆる「おばちゃん」)が、ふと相手への呼びかけに使うという場面に遭遇したことが何度かありました。
しかし、他人の男性がそのような呼びかけをしている場面は見たことがありません。(母性を感じさせるような)自分の子供や孫に似ている相手に愛嬌を込めて使うものでしょう。
For realなどの若者言葉
若者が日本語の「マジで」に近い感覚で”for real”を使います。副詞のreallyと用法はほぼ同じです。
また似たような意味で、literallyも若者に多用されています。literallyはもともと「文字通りに」という意味ですが、最近は「マジで」や「ガチで」という感じで使われ、”I was literally dead.”=「ガチで爆笑した」という風に使われます。
(deadはこの場合「爆笑している」という意味のスラングです。)ただ、若者言葉は日本でも同様なように、流行りに影響されることが大きいので、すぐに廃れてしまう可能性もあります。
時代遅れの表現にならないよう注意しましょう。
以上のように、女性、若者特有などのある程度表現はありますが、
実はそういった年齢や男女の区分による表現の違いは、日本語に比べるとそこまで多くはないかもしれません。
例えば、日本語だと一人称を「俺」や「あたし」、「わし」などという風に様々に言うことができますが、
英語ではすべてまとめて”I”となることでも明らかです。
そういった日本語と英語の表現の違いも、英語学習の際には参考にしましょう。