英語を話す時、日本語をそのまま直訳してしまって、
ネイティブに怪訝な顔をされたり、
通じなかったりした、という経験はないでしょうか。
今まで正しいと信じていた英語の表現が、
実は英語では違う意味になったり、
通じなかったりすることはよくあることです。
言いたいことがわかってもらえないだけでなく、
もしそれが相手を不快にさせる言葉だったり、
約束や決め事の認識の違いを生むものだったりすると、
トラブルの元にもなってしまいます。
今日は、日本人が言ってしまいがちな、
英語ではちょっと不自然になってしまう表現
についてお話します。
同時に、代わりになるオススメ表現も紹介していきます。
日本人が間違いやすい英語の単語
和製英語と正しい英語の単語
■ビーチサンダル→flipflops
■リフォーム→renovation
■ノートパソコン→lap top
■ホチキス→stapler
■ベビーカー→stroller
■ジェットコースター→roller coaster
■キーホルダー→key chain
■クラクション→horn
■ウインカー→blinker
■ナンバープレート→licence plate
■トイレ→bathroom(公共トイレはrestroom)
■ハイテンション→hyper
■アンチ→hater(s)
日本語と英語とでは意味やニュアンスが異なる単語
■ユニーク
uniqueの意味は、唯一の、他に類を見ない、比類のない、独特な、ユニークな、(…に)特有で、のみあって、珍しい、異常な、目立つ、などの意味です。
日本では「おもしろい」という意味合いで使われることがありますが、少しニュアンスが異なります。
■ナイーブ
日本では、「彼はナイーブだ」と言うと、「繊細だ」と言う意味で捉えられがちですが、naiveは、世間知らずの、単純な、だまされやすい、(考えが)甘いなど、どちらかというと負の意味を持つ単語です。
繊細だと言いたいときには、He is sensitive.と言いましょう。
■プリティ
Beautifulは綺麗、prettyは可愛い、でも間違いではありませんが、prettyもどちらかというと、「綺麗な」にニュアンスが近いです。
「可愛らしい」を表現したい場合は、cuteやadorableの方がニュアンスが近いです。若い人の間ではkawaiiも通じます。
■スマート
Smartは、頭が良い、動作がきびきびしているなどの意味で、体形がほっそりしていると言う意味で使われることはありません。
細いという意味で使いたい場合は、slenderの方がニュアンスが近いです。
■プリント
Printは印刷する、活字で書く、の意味です。
お知らせや英語のプリントという意味で使いたい場合は、 handoutを使いましょう。
■車のハンドル
Handleは名詞で取っ手、柄の部分を指すことはありますが、車のハンドルには、steering wheelを使います。
■ビニール袋
スーパーなどのビニール袋は英語ではplastic bagと言います。
■コンセント
Consentは同意、同意するの意味で、プラグを差し込むコンセントのことは、outlet, まれにsocket と言います。
■(スマホで)メッセージする
「またメッセージするね」と英語で言いたいときは、text という単語を使いましょう。
I'll text you.
これだけで、メールでもLINEでも何でもメッセージすると言う意味になります。
■ピアス
Pierceは、突き通すと言う意味で、アクセサリーとしてのピアスを意味するときは、earringsでOKです。
英語ではあまり区別しませんが、敢えて区別するなら、イヤリングはear clipsと言います。
■マンション
Mansionは大邸宅の意味。アパートの意味で使うなら、apartment(house) と言いましょう。
■ストッキング
Stockingsと言えば、英語では靴下のことになります。
パンティストッキングと言いたいときは、panty hose と言いましょう。
■メリット・デメリット
英語にmerit/demeritという単語は存在しますが、例えば商品の紹介をする際に、長所と短所を挙げるような時には、pros and cons を使います。
国や都市の名前
国や都市の名前は単語そのものが違うもの、発音が違うものが多いので注意しましょう。
例えば、Jordanはヨルダンという意味ですが、英語では「ジョーダン」と発音します。
これを知らないと、ヨルダンという国自体を知らないのかなと思われてしまいます。
その他の国や都市を表す単語
■イスラエル→Israel[izriəl] と発音
■イギリス→the United Kingdom(the U.K.)
■ウィーン→Vienna
■アテネ→Athens
■北京→Beijing
■ミラノ→Milan
■ナポリ→Naples
■ミュンヘン→Munich
■ワルシャワ→Warsaw
■フィレンツェ→Florence
発音に注意が必要な単語
■rookie
日本語では新人選手のことを「ルーキー」と言いますが、cookieをクッキーというのと同じで、「ルッキー」と発音します。
■bath
bathに限りませんが、th は必ず舌を軽く噛んで、 sの発音と区別してください。
ホームステイ先で、お風呂に入ってよいかのつもりで"May I take a bath?"と尋ねたら、thが発音できていなくて、バスに乗りたいのかと勘違いされて、バス停まで案内されたという、嘘のような笑い話(実話!)もあります。
主語に応じて使い分けなくてはいけない単語
何が綺麗なのかによって、英語の単語は変わってきます。
次の場合、あなたならどう表現しますか?
■綺麗
(A)あそこに立っている女性は綺麗だ。
(B)綺麗なコイン持ってる?
(C)彼と私は綺麗な関係です。
(D)部屋を綺麗にしなさい
単語の使用例(A)beautiful(B)shiny(C)platonic(D)clean
■おもしろい
(A)そのことに興味があるなら、この本はとても面白いよ。
(B)彼は面白いから人気者だ。
(C)その髪型おもしろいから面接の時には切っていったほうがいいよ。
(D)おもしろい顔してみて!
単語の使用例(A) interesting(B)funny, hilarious(C)weird(D)funny
日本人が間違いやすい英語のフレーズ
英語として間違った表現、あるいは間違ってはいないけれど、あまり自然な言い方ではないという表現と、その代わりになるお勧めの表現をそれぞれ紹介していきます。
【言ってしまいがちな表現】を改めて、【こう言おう】!
■携帯番号を教えてください。
【言ってしまいがちな表現】Please teach me your phone number.
【こう言おう】Give me your phone number.
■今行きます。
【言ってしまいがちな表現】I'm going.
【こう言おう】I'm coming.
■どうぞ(と譲る時)
【言ってしまいがちな表現】Please.
【こう言おう】Go ahead.
■いつもは友達と遊んでいます。
【言ってしまいがちな表現】I usually play with my friends.
【こう言おう】I usually hang out with my friends.
■私は英語が話せません。
【言ってしまいがちな表現】I can't speak English.
【こう言おう】I don't speak English.
■どう思う?
【言ってしまいがちな表現】How do you think?
【こう言おう】What do you think?
■カナダの首都はどこ?
【言ってしまいがちな表現】Where is the capital of Canada?
【こう言おう】What is the capital of Canada?
■今ちょうど5時です。
【言ってしまいがちな表現】It's just 5 o'clock.
【こう言おう】It's 5 o'clock sharp./It's exactly 5 o'clock.
■ちょうど1000円です。
【言ってしまいがちな表現】It's going to be just 1000 yen.
【こう言おう】It's going to be 1000 yen even./It's going to be 1000 yen flat.
■トイレを借りていいですか?
【言ってしまいがちな表現】May I borrow the bathroom?
【こう言おう】May I use the bathroom?
■いつも何時に寝るの?
【言ってしまいがちな表現】What time do you usually sleep?
【こう言おう】What time do you usually go to bed?
■蚊に食われちゃった。
【言ってしまいがちな表現】I was eaten by a mosquito.
【こう言おう】I got a mosquito bite./I got bit by a mosquito.
■目覚まし時計が鳴らなかった。
【言ってしまいがちな表現】The alarm did not ring.
【こう言おう】The alarm did not go off.
■羨しいわ~
【言ってしまいがちな表現】I envy you.
【こう言おう】I'm jealous.
■違う方を選んでしまった。
【言ってしまいがちな表現】I chose the different one.
【こう言おう】I chose the wrong one.
■暇そうだね。
【言ってしまいがちな表現】You look free.
【こう言おう】You look like you have nothing to do./You look bored.
■趣味がいいね。
【言ってしまいがちな表現】You have a good sense.
【こう言おう】You have good taste.
■(人に紹介する時)彼がジョンです。
【言ってしまいがちな表現】He is John.
【こう言おう】This is John.
■ここは日本だ。
【言ってしまいがちな表現】Here is Japan.
【こう言おう】This is Japan.
■予定があります。
【言ってしまいがちな表現】I have a plan.
【こう言おう】I have plans.
■楽しみ!
【言ってしまいがちな表現】I'm looking forward to it.
【こう言おう】I can't wait!
■レストランを予約しました。
【言ってしまいがちな表現】I reserved a restaurant.
【こう言おう】I reserved a table.
■部屋が(散らかっていて)汚ない
【言ってしまいがちな表現】My room is dirty.
【こう言おう】My room is messy.
■間違えた!
【言ってしまいがちな表現】I made a mistake.
【こう言おう】I messed up.
日本語と英語では大きく違うこと
■否定文を受けた時のYes/Noの答え方
A: No sugar?
B: Yes.
これは、(コーヒーなどに)お砂糖はいらない?と尋ねられて、Bさんが、「いえ、入れます」と答えている会話です。
砂糖がいらなければ、質問が肯定形であろうと、否定形であろうと、Noと答えましょう。
砂糖がいるのであれば、質問が肯定形であろうと否定形であろうと、Yesと答えましょう。
■目的語の必要な動詞は目的語を必ず文に入れる
日本語では、「もう書いた?」「あなたは好き?」というように、目的語(「~を」に当たる言葉)を省略する場合がよくありますが、英語では省略ができません。
どんなカジュアルな会話でも、目的語、あるいは目的語を代名詞にしたものを必ず入れてください。
(例)
A: Do you like dogs?(犬は好きですか?)
B: Yes, I like dogs.(はい、好きです)
A: Do you have a pen? (ペン持ってる?)
B: Yes, I have one. (うん、持ってる)
■ingと-edの違い
動詞の現在分詞形(ing形)と過去分詞形( -ed形)では意味が異なるので注意が必要です。
(例)
I am excited!(すごく楽しみ。わくわくする)
The show was really exciting.(そのショーはすごく面白かった)
I am bored.(退屈。つまんない)
The class was boring.(その授業はつまらなかった)
日本語の感覚では躊躇いがちだけど、実は言ってもOKなこと
■I will give you~
「~をあげます」というと、ちょっと偉そうに聞こえますが、英語では大丈夫です。
■You're so silly!
sillyには愚かなと言う意味が含まれますが、それほど馬鹿にしたニュアンスはありません。
■I am so proud of you!
直訳すると「あなたのことが誇らしい」という意味になりますが、そこまで重い意味はなく、"I'm happy for you"(よかったね)くらいの軽い感じで、喜びをともにしてあげるような時に、家族にも友達にも使えます。
いかがでしたでしょうか。
その言い方では言いたいことが伝わっていない、
という英語の表現はこのほかにもきっとたくさんあります。
それは、ネイティブとの会話の場数を踏んで、
少しずつ身に着くものなので、
英語で会話ができる環境にある人は、
積極的にネイティブと関わってみてください。